2006年10月26日 (木)

エルミタージュ美術館展と山口智子

Minato

パリのルーブル、NYのMOMAと並ぶ世界三大美術館のひとつ、サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館の作品が、ロシアを離れ、今、上野公園の東京都立美術館にやっている。9月のロシア極東旅行以来、なんとなくロシアがマイ・ブーム。エルミタージュ行きたいなぁと思っていたら、グッドタイミングで、プレス向けの内覧会の案内をもらったので行ってみる。ゆっくり見られるし、分厚い画集をもらえるし、山口智子も来るしってことで。

展示は、ゴーギャン、マティス、ピカソ、アンリ・ルソー、モネなどの近代絵画が80点ほど。今回は「都市と自然」というテーマで、とくに街並みの絵をはじめとする風景画が多くセレクトされているせいか、見ていると、近代ヨーロッパ世界を散歩しているような気分になる。全体を流れるトーンは暗く閉鎖的だが、厳かな魅力がある。

今回のお気に入りナンバー1は、アルベール・マルケの「マントンの港」(写真:でも、実物のが本当は断然素敵)。おおらかで、なめらかな水面のラインと美しい色彩。マティスもそうだけれど、色彩感覚が美しく、豊かな感じがするものに私は惹かれる。・・・と思ったら、マルケはマティスと生涯を通じて交流した友人だそうだ。当時から高く評価されたにも関わらず、すべての賞の受賞を断り、ひっそりと港の絵を描くことを好んだ絵描き、とのこと。こんなエピソードも含めて、なんだか、好きだな~。

で、山口智子がナビゲーターの話題の特番、「史上最大の女帝エカテリーナ 愛のエルミタージュ物語」を見たわけだが・・・。エルミタージュの美術品は、エカテリーナ2世が収集したものということで、ポチョムキンの恋についての逸話などは、確かにロマンティックだし、興味深い。

しかし、最後に山口智子がいきなり、黒のビキニ姿になって黒海に飛び込む演出は、いったいなんなんだ!! そりゃ確かに山口智子は41歳のわりに、キレイでスタイルもいいけど、エカテリーナ2世の解説してるのに、いきなり脱ぎだすなんて、意味がわからない。だいたい、「山口智子、完全復活」などと、久々にテレビにでてきて、愛について、手をわなわなとふるわせながら熱く語るのも痛い。私生活、大丈夫かな~などと、心配してしまうではないか。

美術に対して、こういう、いかにもテレビ局的演出をかぶせると、とたんに展覧会自体までチープにみえるんだよな。多くの人の注目を集めたい、というメディア側の魂胆もわかるが・・・。うーむ、やっぱり悩ましいことだよ。

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2006年8月18日 (金)

絵を描けなければ総理になれない?

お盆なので、仕事も少なく、編集長も副編集長もお休み。こういうときは、サボるに限る、ということで、今日は銀座へ。

 松坂屋の催し物で、「政経文化画人展」というのを覗き見した。国会議員や元総理、さまざまな会社の代表など偉い人たちばかりを集めた絵の展示だ。こんな社会的に権威がある人ばかりの絵描きグループが存在することも驚きだったし、昔は、「絵を描けなければ、総理になれない」なんていわれた時代があったという説明にも驚いた。しかも、作品はすべて、かなりハイレベルなのだ。

中曽根康弘氏は、山を中心とした風景画で、朴訥としたあたたかい感じの絵。

海部俊樹氏は、より繊細なタッチで、高貴な感じがするバラの絵。

野田聖子氏は、やさしくでも大胆で鮮やかなチューリップの絵。扇に描かれている。

八代亜紀氏(政治家ではないが)は、スーツケースにあふれる静物を写真のように丁寧にきっちりと描写している。なまめかしい色気と神秘的な感じがある。

作品をみていると、それぞれの性格がわかる気がするのが面白い。心やすらぐのは中曽根さんの絵。海部さんはけっこうマメそう。ドキッとしたのは八代亜紀氏の独特の鋭い視点だ。政治家というと血も涙もない権力志向の塊という先入観があったのだが、描いた絵をみると、こんな心もちだったのか、と共感できるような気がしてきた。

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2006年8月14日 (月)

自画像を描く

水彩画の教室で未完成だった自画像がやっと完成した。自分の顔だけに、細部の違いが納得できず、そうとう時間をかけて修正を重ねていった。そのせいで、紙が毛羽立ってしまい濁りがでてきたのが残念だが、描きながら人物画のコツがわかってきた気がする。

●骨のでっぱりを常に意識して描く。頭蓋骨の模型を常に思い出し、そこに肉のベールがかかっている感覚で。肉はどこからどこに流れているかを意識して筆を運ぶ。

●目、鼻、口は位置関係のみならず、大きさの関係が確かかチェックする。これが正確だと、「らしさ」が出やすい。

●肌色はジョンブリアン中心に、黄色~オレンジ~赤~ブラウン、白を混ぜる。ただし、これでは明るすぎて人工的な肌色になるので、寒色を隠し味にする。グリーン系とブルー系を少しまぜた肌色をつくり、影色にするとリアリティーがでる。

●頭のいちばんきわのライン、首の輪郭などは、目線からもっとも遠い位置にあるので、色は淡くする。

●髪は一本ずつラインでとらえないで、面(色の塊)でとらえて色を重ねていく。紙の色はブラウン系にブルー系かグリーン系をまぜると自然になる。

●白目はまっしろではない。にごったグレーっぽい色。

●鼻のわき、などの影色をまっ黒にするとあまりにも汚くなり、他の色とのギャップが大きくなるので、こげ茶ベースにしたほうが、絵がきれいに仕上がる。

教室に、自画像を描くときも、赤や黄色、ブラウン、グリーンなど原色に近い色を大胆に面でのせていく生徒さんがいる。ピカソ的な面白い絵に仕上がっており、味がある。また、紙の白をいかし、水の含ませ方で濃淡をつけて、あっさりと仕上げる人もいる。対象のとらえかたが紙にあらわれるのが面白い。

私の自画像を妹に見せたら、「自分の顔の嫌な部分を強調して描いてるでしょ」と言われた。たしかに目の下のクマをくっきりと彩ったり、唇をわざとさげぎみにしたり、しみを細かく描きこんだりしている。

でも、自画像を描くなんて、最初からこっぱずかしんだから、ちょっと悪めに描かないとやってられないではないか。他人を描くときは、ちゃんと、愛をこめて、少しきれいめに描いているつもりなわけです。

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