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2006年10月30日 (月)

「海辺のカフカ」とメタファー

Kafuka_1

祝!フランツ・カフカ賞。読みそびれていた村上春樹の「海辺のカフカ」を今頃になって、読了。他のの作品より、すっきりと調和した感じがして、読みやすかった。

ストーリーはギリシャ神話の「オイディプス王」(母と交わり、父を殺す)がベース。15歳の少年と、「頭がよくない」ナカタさんの物語が交互に展開し、そして最後に交わっていく。

他の村上作品にも共通することだが、「海辺のカフカ」はとりわけ、メタファーが多く使われている。「入り口の石」「ジョニー・ウォーカー」「カラス」・・・。細部にも全体にも。そのうち、いくつかははっきりと、いくつかはぼんやりと想像が広がり、それらが重層的なハーモニーとなって広がりを感じる。

小説の中の15歳の少年は、それを説明しない。「ことばで説明してもそこにあるものを正しく伝えることはできないから。本当の答えというのはことばにはできないものだから」。「そのとおりだ。それで、ことばで説明しても正しく伝わらないものは、まったく説明しないのがいちばんいい」と、サダさん。

ただ、そのまま飴玉を口の中で転がすように、この作品を味わった。すると、読むたびに、折々に違った味がするのだ。私の中で、それが、どんな形に発酵していくかわからないけれど、確かな味わいと重みのようなものを感じる。それが心地よくて、私は、結局、よくわからないまま、村上春樹作品を読み続けてしまうのだろう。

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2006年10月26日 (木)

エルミタージュ美術館展と山口智子

Minato

パリのルーブル、NYのMOMAと並ぶ世界三大美術館のひとつ、サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館の作品が、ロシアを離れ、今、上野公園の東京都立美術館にやっている。9月のロシア極東旅行以来、なんとなくロシアがマイ・ブーム。エルミタージュ行きたいなぁと思っていたら、グッドタイミングで、プレス向けの内覧会の案内をもらったので行ってみる。ゆっくり見られるし、分厚い画集をもらえるし、山口智子も来るしってことで。

展示は、ゴーギャン、マティス、ピカソ、アンリ・ルソー、モネなどの近代絵画が80点ほど。今回は「都市と自然」というテーマで、とくに街並みの絵をはじめとする風景画が多くセレクトされているせいか、見ていると、近代ヨーロッパ世界を散歩しているような気分になる。全体を流れるトーンは暗く閉鎖的だが、厳かな魅力がある。

今回のお気に入りナンバー1は、アルベール・マルケの「マントンの港」(写真:でも、実物のが本当は断然素敵)。おおらかで、なめらかな水面のラインと美しい色彩。マティスもそうだけれど、色彩感覚が美しく、豊かな感じがするものに私は惹かれる。・・・と思ったら、マルケはマティスと生涯を通じて交流した友人だそうだ。当時から高く評価されたにも関わらず、すべての賞の受賞を断り、ひっそりと港の絵を描くことを好んだ絵描き、とのこと。こんなエピソードも含めて、なんだか、好きだな~。

で、山口智子がナビゲーターの話題の特番、「史上最大の女帝エカテリーナ 愛のエルミタージュ物語」を見たわけだが・・・。エルミタージュの美術品は、エカテリーナ2世が収集したものということで、ポチョムキンの恋についての逸話などは、確かにロマンティックだし、興味深い。

しかし、最後に山口智子がいきなり、黒のビキニ姿になって黒海に飛び込む演出は、いったいなんなんだ!! そりゃ確かに山口智子は41歳のわりに、キレイでスタイルもいいけど、エカテリーナ2世の解説してるのに、いきなり脱ぎだすなんて、意味がわからない。だいたい、「山口智子、完全復活」などと、久々にテレビにでてきて、愛について、手をわなわなとふるわせながら熱く語るのも痛い。私生活、大丈夫かな~などと、心配してしまうではないか。

美術に対して、こういう、いかにもテレビ局的演出をかぶせると、とたんに展覧会自体までチープにみえるんだよな。多くの人の注目を集めたい、というメディア側の魂胆もわかるが・・・。うーむ、やっぱり悩ましいことだよ。

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2006年10月12日 (木)

キラー通りの餃子屋

Gyoza_2 本日、自転車通勤。帰宅途中、外苑前キラー通りぞいの福蘭に立ち寄って、夜ご飯。

ここは、青山にあると思えないほど小汚い店だが、餃子がスペシャル! ニンニクとねぎがたっぷり入っていて香ばしい。こっくり味でいて、やわらかいのだ。揚げた餃子を、醤油系のスープで煮込むという、ちょっとユニークな作り方。アジアの屋台のような、油っこくて、ちょっとヤバそうなディープな味にやみつき。

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2006年10月 9日 (月)

「フラガール」にみる観光産業の復興

Sizuchan 渋谷、シネ・アミューズにて映画「フラガール」を見る。ブラックコーヒーを30分前に飲んだので、今度は寝なかった。

時は昭和40年代。福島県いわき市の炭鉱の町を舞台に、フラガールを目指す地元の女子の夢と希望の物語。ストーリーはベタだけれど、心あたたまり、上映後は、映画館内で拍手がわいた。福島弁の蒼井優ちゃんがかわいい。蒼井優は、田舎娘がなんて似合うんだろう! そして、南海キャンディーズのしずちゃんもいい味。映画館に飾られていた等身大のしずちゃんフィギュア(写真)は妙な迫力がある。

この映画、制作にあたって、スパリゾート ハワイアンズおよびいわき市の資本がずいぶんと投入されているようだ。キャンペーンでも、いわき旅行、ハワイアンズ宿泊券などで1000名プレゼントの大盤振る舞いがあったりして、地元タイアップ色が濃厚。「いわき市の観光について、知っていることを書いてください」などという設問があったりして、この映画で、いわき市に観光客を呼び込もうという意図なんだろう。

そもそも、スパリゾート ハワイアンズは、日本ではじめてつくられた本格的なテーマパーク&リゾート施設で、今なお、年間入場者数が150万人を超えるという奇跡的な成功例らしい。地方のテーマパークというと、夕張のメロン城はじめ、巨額の資金を投じて建築されるものの、ハード優先で、結局、客が入らずに失敗するケースが多いが、スパリゾート ハワイアンズの設立には、徹底した地域共生の思想がバックボーンにあるのがポイント。ポリネシアンダンサーも海外や大都市から調達せずに、舞踏教育学校をつくって、地元の女子をフラガールに育てる、といったように、地元の振興・雇用促進などに配慮したソフトづくりが成功の秘訣で、観光産業の観点からも注目らしい。・・・という話は、スパリゾート ハワイアンズを取材した、某旅行業界誌の論説主幹氏の受け売り。そもそも、この方から映画の話をきいて、「フラガール」を見に行った。

でも、やっぱり、東京に住み、ハワイにも何度かいったことがあり、昭和40年代や炭鉱の町にノスタルジーを感じる世代でもない私にとっては、スパリゾート ハワイアンズの魅力にひたるのは少し難しかったな。地域共生の発想はスバラシイとは思うけれど。

もし、キャンペーンに当選したあかつきには、実際にいわき市に行って、予想をうらぎられてみたいものだが・・・。

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2006年10月 1日 (日)

ラグビー・トップリーグ第4節、東芝、NECの順当勝ち

Toshiba_nec 青山~千駄ヶ谷まで自転車をふらふらと走らせて、秩父宮競技場の前をとおったら、ちょうどトップリーグの試合(NECvsリコー、東芝vsセコム)がはじまるところだった。千駄ヶ谷の東京体育館のプールに行く予定だったのだけれど、久々のラグビーの匂いにつられて、思わず、予定を変更して、入場してしまった。

秩父宮競技場は芝生がはりかえられたばかりだそうで、青々としていて、壮観だ。人のいりは、半分くらいか。

トップリーグの試合は、そんなに一生懸命追ってはいなかったのだけれど、今年は清宮監督ひきいるサントリー(去年6位)が宣言どおり、優勝するかが注目だ。サントリーのいちばんのライバルとなるであろう東芝やNEC(去年優勝)の試合も、見ておくにこしたことはない。日本代表の選手も続々登場することだし・・・。

NECとリコーはNECが順当勝ち。後半リコーが追い上げたけれど、逆転ならず。面白かったのが、ラグビーでは珍しく、乱闘騒ぎがあったこと。NECのSOヤコが、リコーのSHの春口翼選手をつまみあげたかなんだか?だと思うが、よくわからない理由で、いつのまにか多くの選手が参加する乱闘に。

リコーのSHの春口翼選手は、身長が159センチ62キロと小さいので目立つ。関東学院春口監督の息子で、同様に背が小さいけれど、とてもすばしっこい動きだった。

東芝vsセコムも、セコムがねばったものの順当に東芝が勝ち。東芝はさすがの貫禄だ。

今回は、はじめて、実況解説を秩父宮近辺だけできこえる特別ラジオ放送できいてみた。上田昭夫氏(慶応の元監督・現在フジテレビ勤務)のマシンガントーク炸裂。赤い髪の毛をパイナップル型に刈り込んでいる東芝・バツベイ選手のことを「これ、オラウータンだよ。オラウータン」とか、風邪をひいているらしく、「今から鼻かむから、なんかしゃべってて」と、急に解説を休むとか・・・。たとえば、今回は「ジャッカル」というプレーをテーマにし、ジャッカルになりそうなプレーについて重点解説があったり、ラグビーがよくわかる工夫がいっぱい。また、l素人っぽい女の子が、解説メンバーに加わっていて、たまーに、ぼけっと質問をするのも、場内限定のラジオ放送ならではのゆるさで面白い。一人ラグビー観戦の時は要チェック!

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